赤石岳から悪沢岳(1999年7月31〜8月4日)
メンバー 王様、FS


 東海道線の事故のため、畑薙ダム行きのバスに乗り遅れ、タクシーで行く。19250円もした。(タケー!)畑薙ダムからは、椹島までバス(乗車時、3千円払う。ロッジに泊まるときの前金という形。ロッジに泊まらなければ、3千円がバス代となる。歩けば、半日がかりだから楽。ちょっと後ろめたい。椹島の綺麗なテント場で一泊。

 2日目。五時25分出発。赤石岳避難小屋まで二千メートルの登りだ。樹林林の中を、ゆっくり登る。5時間かけ
て赤石小屋に到着。ここでゆっくりと休む。山頂で飲むためにビールロング缶を(日本人だから)2本購入。1200円。
 富士見平で、眺望が広がる。ウサギギクがかわいい。聖岳は、雲の間から頂上を見せたが、悪沢岳は雲の中。東に笊ヶ岳がクッキリ。
 桟道のある歩きにくいトラバースを過ぎると、最後の水場になる。急斜面のお花畑の中を、沢が流れ落ちている。花が咲き乱れて、とても美しい。
 ここで水を仕込まなければ、後は荒川小屋まで水場がない。FSさんは、ビールを1リットルと水2リットル。私が、水(ここだけ紬かいが)4,25リットル背負う。一気に荷が重くなった。
 穂高の涸沢カールを少し小さくしたような斜面を、肩に食い込む荷を背負って足をあげていく。周りのお花畑も霞んでくる。覆い被さるような急斜面も、1時間半。以外に早く、稜線に出た。眺め良し。赤石岳も目の前だ。
 山頂までは、ゆっくりと、何か大仕事を成し遂げたような気分で、行く。子連れの雷鳥がかわいい。15時40分、到着。 ビールで乾杯。最高の気分と眺め。10時間以上の行動だった。
 山頂直下の避難小屋は、愛想の良い小屋番がいて、食事も寝具も、ビール!も売っていた。素泊まり、3500円。綺麗な小屋で、20人ほどが泊まっていた。
 夕食(チゲ鍋だぜ)後、山頂から夕焼けを見る。一番期待していた、赤富士は雲に隠れて見えず。が、一瞬のブロッケンは、すごかった。
 夜中、外に出ると、星がすばらしい。南に、蠍座が完全な姿で諏いていた。

 3日目。荒川中岳の避難小屋まで、3時間ほどの行程。昨日と追って、超ノンビリ。
 ガスが晴れるのを待って、ゆっくり6時45分小屋を出る。既に皆出払っている。中央、北アルプスがよく見える。少し行っては休み、花があると休む。大聖寺平では、晴天さわやかな風の中で2時間程も昼寝(朝寝か?)、荒川小屋に着いたら12時20分だった。
 休み癖がつくと、動くのがおっくうになる。本日もまた水をたっぷり補給する。
 今日のハイライトは、荒川中岳南面のお花畑だ。花の盛りは、過ぎていたようだったが、なかなかすばらしい斜面だ。南を振り返れば、スケールの大きい赤石岳が、どっしりとしている。
 中岳山頂には、14時50分着。贅沢な一日だった。
 中岳避難小屋も、小屋番がいる。ここいらは、全て東海フォレストの経営になっている。
 夕食は手の込んだカレー。水が少ないっていうのに、毎晩辛いものを食べている。
 今日もまた赤富士は見られず。夜になって、小雨と風。

 4日目。風の音で目が覚める。目前の悪沢岳は、雲に閉ざされている。が、風が強いのでどんどん雲が吹き払われて行く。この雲の動きに目が奪われる。最後には、絹のような雲がかかって悪沢岳は羽衣をまとったようだった。その右に富士山が端正。あっという間に快晴だ。
 6時出発。風が強いので合羽を着て行く。カールの広がり、相変わらず花が美しい。1時間で悪沢岳に到着。
 私には、3度目の山頂だ。南アルプスの中では、一番好きな山だ。都内で、少し高いビルに登れば、唯一見える南アの山である。風が強よくて寒いが、365度の眺めだ。
 3140メートルから1100メートルの椹鳥まで2千メートルの下り。覚悟して下る。
 丸山から千枚岳の間で、綺麗なお花畑、そして猿の群に出会う。かわいい小猿。8時50分、千枚岳着。ここから下は、樹林帯になるので、ゆっくり休む。
 千枚小屋の上のお花畑が、最後のハイライト。期待以上にすばらしかった。山は同じような時期に、同じ所に来ても、全く違う顔を見せてくれる。以前、極楽のようだった所が、平凡だったり、思わぬ所で、感激したりする。
 千枚小屋から下は、樹林の中。 10寺発。ひたすら下る。樹林の切れ間に、赤石から悪沢まで、昨日まで歩いた稜線が見える。途中、水場で大休止。
 14時椹島着。長かった。とりあえずビールだぜ、広々としたテント場にゴロリ、グビッグビッ、プハー。ウメー。8時間の行動であった。
 今夜は、椹島ロッジ泊。山小屋泊まりは、何年ぶりだろ。。風呂付き、食事付き、極楽、極楽。ロッジは、中高で満杯。食事も交代制であった。

 最終日は、バス、バス、電車、電車で、朝7時半に出たのに、クソ暑い東京には17時着。南アルプスは、ホントに遠い。が、また行きたい。


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