バレー・ブランシュ
Vallee Blanshe


  2日目はスキーヤーあこがれのバレー・ブランシュだ。エギュ・ディ・ミディへのロープウェイ乗り場は凄い数の人でごった返している。今日は金曜日。ピーターに予約をしてもらったら、乗車は2時間後だったのでシャモニの町を散策して、お茶なんか飲んだりして時間をつぶした。
 エギュ・ディ・ミディへはロープウェイを2つ乗り継ぐ。建物の中で身支度して、MYさん、SNさんはピーターとロープを結ぶ。外に出ると、雪稜の下りだが、両側に太いロープが手すりのように着いている。安心して下れる。1段下った平坦地でスキーを着ける。ここでおにぎりを1ヶ食べる。今日のお昼は、各自おにぎり2ヶ(おかかとゆかり)で豪華である。私だけ4ヶでうれしい。
 天気は大快晴。目の前にグランド・ジョラスと遠くにもちろんマッターホルンも見えている。
 滑り始めはコブの急斜面だが、すぐになだらかな平原になる。広々とした緩斜面、楽しいったらこの上ない。
 途中から、エルブロンネの方向にむけてシール登行する。前年夏に登ったトァーロンドを右に見て登って行く。コルからイタリア側に滑り降りて、ロープウェイで登り返して来よう、という計画だ。コルに近づくと強風だ。雪礫が顔に当たって痛い。強風の中でおにぎりを食べる。イタリア側への滑降は条件が悪いということで取りやめになった。
 引き返してバレー・ブランシュに滑り降りる。谷に下りると風は無くなってとても快適だ。セラック帯までは長い斜滑降になる。今日の核心部、セラック帯はどんなところだろうと思って行くと、左岸の急なコブ斜面ではあるが、思ったより安全に楽しく滑り下りられた。セラック帯の最後は、狭くて急な下りで向こう側は登り斜面だ。すぐ隣にクレバスがある。とてもイヤラシイところだ。ここは一気に直滑降で通過しなければならない。そのクレバスの縁でMYさんがコケた。ヒェ〜!危ない。ピーターが蒼くなった。
 そこを過ぎれば、サル・ア・マンジェー(la salle a manger直訳すればダイニングルーム)日本で言えば「昼飯食いのタワ」と言ったところか。ほっと一息でおにぎりを食べる。
 あとはメール・ド・グラス(氷の海)をスイスイ行くだけだ。午後も遅くなって、氷河は日陰になっている。グランド・ジョラスの頭が高く見える。氷河の真ん中をどんどん滑って、モンタンベールの下を過ぎて、氷河の末端付近まで来ると急斜面になり、そこで終わり。スキーを担いで、左の尾根に向かって登る。モッテという休憩所のある尾根に出て、また午後の日差しを浴びる。もう17時40分だ。だいぶ時間がかかっている。
 氷河の対岸にはドリュがそびえ立って、その麓にもたくさんのトレースがついている。グラン・モンテからメール・ド・グラスへ凄いところを滑り降りている。
 この後は、ハイキング道をシャモニまで滑るだけ。ボブスレーのコースのようになっているところをひたすら滑り続けて、18時25分麓のスキー場に着いた。
 本日の落差、3050n。なだらかな氷河を滑ったから、滑走距離は、20km?かな、30km?かな。
 二日間目一杯滑ったので3人とも疲れている(ひろこちゃんとピーターは全然疲れていないみたい、タフだなぁ)。しかしこのまま帰ってもビールの在庫がない。それでは疲労回復も覚束ないので、私が!車から降りてスーパーへ行き、ビール(ハイネケンが一番安い)を買い込んで、アパートまで雪道を歩いて帰ってきたのだった。エライ!


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