金山沢〜白淵沢(2009年7月19〜20日)
メンバー、(L)王様、WT、FS、MT、YK、YM


 本来の予定は、中ア細尾沢だったのだが、伊那地方が大雨で中止にせざるを得なかった。全国的に雨模様で、晴れを探しても3連休の初日はどこも60%を越える降水確率だ。中で比較的良かったのが嬬恋村あたりなので、白淵沢を目指して、とりあえず応桑に行くことにした。
 夜中に着いて、朝の4時過ぎまで飲んだ。ゆっくり起きたら多少明るいので、簡単に行ける毒水沢に決めて草津に向かう。途中のコンビニで行動食を買ううちに、また降ってきた。諦めざるを得ない。
 南ゼン沢とガラン谷の取り付きを偵察して、尻焼温泉で足湯をしたら、周りに蛇がいて二度と来ようとは思わなくなった。気を取り直して湯の平温泉に行く。河原の上の露天風呂は熱めだったが気持ちよかった。風呂から上がると冷えたキュウリを出してくれた。味噌マヨを付けて頂いた。とても美味かった。辛子味噌のおみやげまで頂いた。身も心も温かくなった。

 白淵沢は以前から頭の隅にあった。名前が魅力的だ。しかし、隣の魚野川へは3度も行ったり、近所の沢には入っているのに、なかなか足が向かなかった。今回、天候の加減でチャンスが巡ってきた。

7月19日
野反湖09:10〜弁天山09:30〜滝11:00〜二つ目の滝11:40〜洞窟12:40〜二股13:30

 朝、起きてみると青空が見える。こりゃいい。1時間で野反湖に到着。駐車場は満杯に近い。湖畔はキスゲが満開で黄色い帯になっている。
 大勢の観光客やハイカーの中を、沢支度でヘルメットをぶら下げた6人が行く。キスゲの他にも沢山の花が美しく咲いている。弁天山を越えて次の三角点ピークを南から巻くように登山道がある。道標は「根広」「花敷」と書いてあるが、道は笹に覆われて廃道に近い。
 最初の鞍部から右に笹の急斜面を下る。笹の斜面は広葉樹と相まって美しい。が金山沢自体は荒れた感じのあまり美しくない沢だ。白淵沢のアプローチだから下降したが、この沢のみの遡行はお勧めできない。1時間ほど行くと小滝が現れ、これは右から巻き降りた。その先で、懸垂下降の滝が2個。赤茶けた岩に緑の苔が着いて美しい。
 雲行きが怪しくなってきて、小雨が落ちてきたりする。どうも不安定な天気だ。朝の青空はどこに行った。
 沢は荒れた感じで、左は斜面が崩れて白い砂の斜面になっている。倒木を越えて行く。うんざりしながら倒木を越えていると、水流が変な方向に折れ曲がって消えて行く。いきなり水が消え、その先のミニ石橋を潜ったら、その先で水流が突然現れた。驚いた。右岸の岩をくり抜いて直径1.5mほどの丸い水路ができている。そこを水が流れている。人工物のようなトンネルだが、作る必要性は無さそうだし、自然物にしてはトンネルの壁に滑らかさが無いのは不自然だ。不思議なものを見た。
 そこから少しで、白淵沢との合流点だった。少し下がったところにタープを張り、焚き火となったのである。
 夜、満天の星が木々の間から見えた。

7月20日
06:05〜ナメダンス07:00〜奥二股07:30〜ロープを出した滝09:45〜簡単な滝10:40〜藪こぎ終わり11:08〜14:00野反湖

 昨日の燃え残りに火を付けて朝飯にする。良い天気だ。南北に流れている沢だから、陽はなかなか当たらない。
 白淵沢に入って小滝をいくつか越えると大きな釜が現れる。YKさんは早速、初泳ぎをする。釜を越えると長いナメが続く。厚手の苔が生えて歩き良いし美しい。これはなかなか良かった
 1時間半ほどで奥の二股に着く。その先は水も細くなり、両岸の花々も美しい。ゴロゴロした沢は斜度を上げて行く。このまま滝なしで行くのかな、と思ったら出てきた。こーきちゃんリードでザイルをフィックスした。その先にもう一個滝があったがこれは簡単に登れた。
 傾斜は急であるが足下がしっかりしているので登りやすい。その沢型も消えて足下も笹になったら10分ほどで傾斜が緩くなり、カモシカ原の一角だった。感激的なフィナーレだった。キスゲが広々と咲いている。ハイカーが沢山休んでいる。
 大勢のハイカーの前を、登山道にむかってキスゲの中を通り抜けるのは、多少の後ろめたさがあった。そこから野反湖の駐車場まで2時間半ほど。一般登山道の歩きは眠い。しかし右下には昨日から歩いた沢が見える。満たされた気分だ。長い間思い続けていたのが実現して、とてもマンゾクだ。


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